2013.11.23
フィリピンの代表的な料理はという問いにレチョン・バボイと答える人は少なくはないと思います。フィリピンを訪れた事がない方々には初耳のこの料理。実は単なる豚の丸焼き。フィリピンではクリスマス、お祭り、誕生日といったお祝い事には必ずと言っていい程出てきます。焼きあがると皮がパリッとして美味しいんです。都市に行くとお祝いごとでなくても毎日のようにこのレチョンを焼いて販売しているお店まであります。まあ、毎日食べるとコレステロールが溜まるので注意しなければなりません。只の丸焼きと言いましたが、シキホールのような田舎では豚を育てるところから始まるので、そりゃもう一苦労です。私も何度か豚のトサツに参加した事がありますが、６０ｋｇの豚になると横倒しの姿勢から大人１人を跳ね飛ばすくらいの力があります。中には噛みつく豚もいるので注意が必要です。「とどめを刺す」と言う言葉がありますが、まさにその瞬間が一番人間にとって精神力と体力を消耗する瞬間です。これが終るとなれない人は皆放心状態のようになりぐったりとしてしまいます。シキホールではお祭りが近付くと何処からともなく豚の叫び声が聞こえてきます。慣れるまでは何事が起きているのかと心臓の鼓動が早くなりますが、慣れてしまうとそれがお祭りの一部のような感覚になります。大勢の人達が集まってきて共にレチョンを味わいながら親睦を深め、楽しいひと時を過ごします。ただ動物が好きな人にとってはあまりいい料理とは言えないのかもしれません。 |
